コラム

栃木県内のバス会社は供給過多の状態?

2020.6.10
  • コラム

栃木県内の貸切バス事業者2割減。バス保有台数も同じく2割減。

これが数年後に訪れるのではないかと思っております。残念ながら淘汰されるバス会社も出てくると思います。供給過多の業界全体にとっては、結果的にいい方向に向かうのではないかと思っております。

 

 

理由としては、貸切バス利用の需要減です。

 

①人口減&少子化

日本では急速な人口減に見舞われています。その中でも特に利用割合が多いのが学校なのですが、少子化の影響で若年層が減っています。今まで5台利用していた台数が4台、3台と減ることはあっても増えることはまずありません。

 

②多様化

旅行自体は皆さん大好きでこれからも減らないと思いますが、旅行形態が少しずつ団体旅行から個人旅行に流れが向かっている気がいたします。社員旅行や子ども会旅行などひと昔前ほど多くはありません。社員旅行などは若い人には人気がありません。旅行の若い幹事さんと話しているとよくわかります。人気が無い理由は温泉1泊⇒宴会で酒注ぎやカラオケの強要⇒大部屋で上司と一緒=結果行きたくない!なのでしょうか。

 

③三密空間

新型コロナウイルスの影響で今後も貸切バスを敬遠する動きは続くと思います。貸切バス事業者もいろいろな対策を講じておりますが、今まで通りには絶対戻りません。三密のイメージが強過ぎます。利用者もバスの車内でマスク着用をして、2席を1人利用、その上極力会話禁止。バスガイドさんの案内は無し。貸切バスの最大のメリットの安さと楽しさがなくなります。バス代自体は今までと変わりませんが利用(乗車)人数で割ると、単純に今までの倍の負担になります。それでも貸切バスを利用してくれますか?

 

④訪日外国人の利用減

頼みの綱だった訪日外国人観光客ですが、この度のコロナ禍で以前のようには戻らないと思います。戻ったとしても貸切バスを利用するかは別問題。大きな期待は禁物です。

 

その他にも、バスドライバーの高齢化問題、低賃金のためのなりて不足等々問題が山積みです。

 

 

今まで頑張ってこられた貸切バス事業者の皆さんと、これからも一緒に観光業界を盛り上げていきたい気持ちは変わりませんが、数年後を考えるとこれを機会に少しだけ淘汰されるのもやむを得ないのかと思います。

 

そうなると今まで以上に繁忙期(オンシーズン)はバスが足りなくなります。もともと貸切バスは年間でオンシーズンとオフシーズンの差が激しい業界です。学校の遠足や旅行シーズンがある時期に集中するからです。学校などに働きかけ、もう少し行事が集中しないようにしてもらえれば、2割減になった状態でも対応ができます。貸切バス事業者にとっては、年間での仕事量が増え、社員の所得向上、就職希望者増といういい循環が生まれるのではないかと考えています。少し痛みを伴いますが、明るい貸切バス事業者のために一緒に頑張っていきたいものです。